北海道の農家は雪のある間は仕事がないと思っている人も多いのではないでしょうか?

実は北海道の農家の多くはまだ雪の多い2月半ばには、外での仕事がひっそりと始動しているのです。

今回はそんな北海道の農家の1年のはじまりを告げる、ビニールハウスかけについてお伝えします。

ハウスかけとは?

北海道の農家の多くは冬の間、降り積もる雪からハウスを守るためにハウスを片付けています。そのため春になると半年の間に降り積もった雪を除雪し、夏に向けてハウスを復活させる必要があるのです!

わざわざ除雪しなくても、雪解けを待てば良いじゃないかと思う人もいるかもしれませんが、北海道の春はまだまだ気温も低いため、田植えやメロンの収穫に合わせてハウスを用意しなければ、あっという間に夏が訪れてしまうのです・・。笑

ハウスの雪はねは除雪機が大活躍

冬の間降り積もったハウスの雪は、人の力だけでは簡単には片付けられません。岸田農園では除雪機を使用して20本のハウスすべての雪を片付けます。

ハウスのパイプに近い部分は人の手も必要ですが、除雪機ありきの作業となります。

昔はこれをすべてママさんダンプで片付けていた時代もあるようで、現代で農家をやることがいかに恵まれているか実感できますね。笑

これは雪がはねてできた雪の山です。こんな雪が1年中降り積もっているなんて北海道の冬は恐ろしいです・・。笑

ハウスが倒壊寸前!?爆弾低気圧に注意!

この時期のハウスかけでもっとも恐ろしい出来事は、低気圧の上陸です。季節外れの大雪が降ればせっかく立てたハウスが一晩で倒壊してしまうこともあるのです。

今年は3月の頭に予期せぬ低気圧が上陸し、一晩で30センチを超える積雪がありました。そのため、朝起きるとせっかく建てたハウスが一晩にして倒壊寸前になっていました。

今回はあと一歩のところでハウスが必死に耐えてくれたため、事なきを得ましたが、積雪量によっては一からハウスを立て直さなければならない時もあるのです。

暖かい日のべた雪が一番大変!

3月も中旬になると、気温がプラスになる日も増えてきます。外の気温が高ければ作業も捗ると思いますが、実はこの時期のハウスかけがもっとも大変なのです。

雪は気温が上がることで、べた雪と呼ばれる重たい雪質に変化します。これはスコップやシャベルで雪を片付けなければいけない、ハウス建てにおいてとてもつらい作業です。

寒い時期のほうがよかったじゃないかと思ってしまうほど、重たいべた雪を片付けていると外の気温も相まって、汗をたくさんかいてしまいます。

中には半袖で作業する人も出るほどでした・・。笑

ハウスかけ終了

岸田農園では3月の中旬からメロンの播種がはじまります。そのためもっとも早い2月に建てたハウスは、3月に入るとすでに雪解けが進んでいます。

あんなにたくさんあった雪が数日で溶けてなくなってしまうとは、ハウスの力は偉大ですね。

岸田農園は今年20本のハウスを2月中旬から1か月かけて建てました。幸い天候にも恵まれ予定より2日早い終了となりましたが、写真で見る以上に大変な作業でしたね。

春の訪れを告げるハウスかけ

今回は北海道の農家のはじまりを告げる、ハウス建てについてみていきました。

基本的には除雪機を使った作業にはなりますが、人の力も必要であるため、見かけ以上に体力を使います。また爆弾低気圧、べた雪などの自然ならではの驚異もあるため、気温にも常に気を配らなければいけません。

ハウスは農家の命ともいえる、大切なものです。岸田農園もこの時期にハウスをかけなければメロンを作ることもできなくなってしまいます。

まだ雪が残る時期の大変な作業ですが、この積み重ねが美味しい作物をつくるカギとなるのです。

北海道の農家の春の訪れるを告げる、ハウスかけについて少しでも知っていただければ嬉しいです!

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